勝ったら実力負けたら運

ルールはわかった?
理解はしたが覚えてはいない
まぁ符計算とかマイナー役とかは、やりながら覚えればいいわ
どうしてルールがこんな複雑なんだろ
さあ。外の世界の人間が考えることはわからないわ
で、結局麻雀って何がおもしろいの?
うーん。一概には言いづらいわねえ。長くなってもいい?
うん。あたいがんばるよ
じゃあ今日はその中で一つだけ。
うん
「勝ったら実力、負けたら運のせい」なところよ
えー。勝ったら運負けたら実力ってよく聞くけど。逆じゃないの?楽天的すぎるんじゃ?
まぁたまに手なりで高打点連発とか、まるで初期位置が安地のような楽勝モードがあることは否定しないわ。(それはそれで楽しいけど)
でもほとんどのトップはラッキーに見えても、ひとつ一番高い手をあがり逃していたら、一度手痛い放縦が増えていたら、獲得できなかったトップなんじゃないかしら
運がすごくよければミスったほうがあがれちゃったり、あがり逃してもまたあがれちゃったりするかもよ
うーん。私にはそっちのほうが楽天的に見えるけど、無いともいえないわね
じゃあ負けたら運のせいというのは?
これはちょっといいすぎかもしれない。より正しく言うなら「負けても実力のせいとは限らない」負けた理由が実力によるのか運によるのかは自分では上手くなってから振り返らないとわからない。でも集中力不足のミスは論外としてね。
うっかりとかつい手拍子でというのは、やっぱ実力のせいか
もちのロンよ〜
でも、勝ったら実力負けたら運ってなんか後ろ向きなオーラがある気がするよなあ
じゃあ質問。「勝ったら運負けたら実力」って言われて、勝ちたい?それとも負けたくない?
なんかすごい負けたくない
それなら逆に「勝ったら実力負けたら運」って言われたら?負けたくない?勝ちたい?
勝ちたい!
そう、それなのよ。一見ほとんど同じ意味なのにね
ええ?どういうこと?
徒然草』では双六(バックギャモン)の名人が「勝たんとうつべからず。負けじとうつべきなり。 いづれの手か、疾(と)く負けぬべきと案じて、その手をつかはずして、ひとめなりとも、おそく負くべき手につくべし。」と述べているわね
知らないよ、そんなこと
双六に限らず多くのゲームは、耐えていれば何度もアドバンテージを得られるチャンスやひっくり返すチャンスがある構造になってるわ。そういうゲームは、たしかに負けないように、勝ちを決定させないようにプレイし続けるのがいいの。たとえ不利でも粘って粘って勝たれないようにしてれば、その分チャンスがどんどん増えるから。制限時間やターンの制限が無いゲームは大体そんな感じね
う〜ん、耐久弾幕みたいな感じかな
なんと麻雀はそのチャンスがたった5〜6回しか無いの!(東風戦)
すごい大振りなゲームだね
しかもテンパイして初めて得点を拡大できるチャンスが生まれるわ。大体それが2局に一局くらい
ピーキーだなあ
それに加えて誰にも勝たせないという目標が非常に困難なの。カードゲーム的にいうと干渉もコントロールもほとんど無いの。言うまでも無くカウンター、打ち消しも無いわ。自分がどんな牌を切ったとしても、ツモられたら失点するし、自分の意思に関係なく横移動して状況が変化してしまう
勝たせない、負けないようにしようと思っても、手段が不足しているね
だから例えある一打に相当のリスクがあったとしても、長い目で勝つためにはつっこんでいかないといけない場合があるのよ。もちろん無謀なのとは違うわよ
さらにリスキーときたか
そういうゲームなのよ。だから真実を言っているとは限らないけど、「勝ったら実力負けたら運」と認識したほうが有用で実利があるんじゃないかなというのが私の持論
あたいは勝てれば何だって良いけど、表現が違うだけでゲームを見る角度も変わるなんて不思議だね
でもあなたはどんな勝負でも負けないように受け潰すようなんてことできないでしょ
あたいは最強だから、勝とうとか負けないようにしようとか全然考えてないよ!
ある意味ではうらやましいなあ。もしかしたら将来それがあなたの麻雀の長所になるかもしれないわね。慢心して努力を怠らなければ。
えへへ。あれ、そういえば最初何の話してたっけ
麻雀の魅力について語ってたはずが、ゲームの性質や心構えの話題に脱線しちゃったわね。まぁ麻雀の楽しさなんて打てばわかるんだから。次回も麻雀の魅力を語ると見せかけて、あえて構造や戦略の話に脱線させちゃうわよ!どうせ魅力だけわかっても麻雀強くなんないし、強くなったらどんどん楽しくなるから!
なるほどねえ。しかしなんだか今日のレティはオタクっぽかったなあ
オタクって言うな!せめて雀バカと言いなさい!
わーい!このなんとかバカー!
うるさい、本物バカー!